アイデアのつくり方:ジェームス・W・ヤング著

アイデアのつくり方
アイデアのつくり方
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ジェームス W.ヤング 今井 茂雄
阪急コミュニケーションズ
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毎年4月の有名企業入社式のテレビ報道の中で、「若い人の柔軟な思考とアイデアに期待する」ような内容の訓辞をしている社長をよく目にする。しかし、ただ若いからと言っても、そんなにどんどんアイデアが湧いて出てくるわけでははず。そこで、オススメしたいのがこの本「アイデアのつくり方」だ。

バイブルサイズの手帳と同じ大きさで、頁数もたったの102ページ。しかも各ページも大きな文字が行間隔をたっぷりとって並んでいる。しかし、アイデアに煮詰まったときには、強力な助っ人となってくれる一冊だ。

本が訴えているアイデアに関する原則は極めてシンプルだ。その第一は「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」ということ。第2の原則は「既存の要素を新しい一つの組み合わせに導く才能は、事物の関連性をみつけ出す才能に依存するところが大きい」ということだ。

このふたつの原則を頭に入れた上で、本書はアイデアを作る実際的な方法あるいは手順について説明していく。つまり、アイデアは特定の才能によって、突然に生まれるものではなく、モノ作りと同じような「一定の明確な方法」に従うことを説明する。

その手順は、「資料の収集」「心の消化過程」「無意識下での創造過程」「アイデアの訪れ」そして「アイデアの具体化と展開」の5ステップ。ニュートンがリンゴの落ちるのを見て、万有引力を発見したアピソードなど、「なるほど!」と思える事例を示しているので、アイデア創造の過程がみえてくる。開発部門や企画、マーケティング部門を目指す若手社員の方は、必読の一冊だ。

製品やサービスのアイデアを考える上で、本書の内容に加えるとすれば、実際の顧客に幅広く接して、その生の声を聴くことだと思う。拙書「女子高生ちえの社長日記PART-1」でも、フリーマーケットで試作品を見せて消費者の反応をみる場面があるが、アイデア出しは、デスクワークだけではない。足を使った情報収集もアイデア出しの大切な要素のひとつに違いない。

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