20歳のときに知っておきたかったこと ~スタンフォード大学 集中講義~:ティナ・シーリグ

20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義
ティナ・シーリグ
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内容が題名にある「20歳のときに知っておきたかったこと」なのかどうかについては、多少疑問がないではない。しかし、本の内容をけなすつもりは全くない。むしろ20歳に限らず、18歳の大学生成り立ての学生にも、就職して会社で仕事の経験をした25歳から30歳の会社員にも、そして現在の仕事に限界を40代にも、起業家精神とはなにかと教えてくれる、大変有益でわかりやすい良書である。

冒頭の第1章「スタンフォードの学生売ります」は、手元にある2ドルの資金を2時間でどうやって増やすかという学生に出した課題のエピソードだ。このテーマの言いたいところは、2ドルという金額の少なさに捕らわれてしまうのではなく、自分達が2時間でどうすればお金を儲けられるかという視点に、発想を転換することの大切さを教えてくれる印象深い内容だ。

第4章の「財布を取り出してください」では、演習の参加者全員に財布を取り出してもらい、日頃使っている財布に対する不満や改善点を話してもらう。この演習は、どんなモノにでも不満足な点があり、それを改善している余地があることに気付かせてくれる。実際に自分も研修の中で取り入れて、効果を実感することができた。

このような著者の講義で使われている内容が紹介されているだけでなく、著者が日常生活の中で感じた教訓も盛り込まれている。著者の父の言葉「努力すればするほど、運はついてくる」は、気に入った言葉のひとつだ、何もないところから出発した起業家が、並外れた努力で幸運を引き寄せたという、元気の出る例も紹介されている。

「いくつになっても人生は変えられる。でも20代にそれに気がついた人こそ幸運である」そんな著者のメッセージが伝わっている1冊だ。

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